今月で2輪のレース関係の仕事は一段落したので少し落ち着いています。
4輪の方は空力の開発が凍結されているので去年のような忙しさはありませんね。
レースの仕事はバタバタさせられることが多いのでこんな年もいいかなと。
さて、こちらもレース絡みですがNH6の仕事は無茶を言ってこないので助かります。
そうはいっても納期には間に合わせないといけません。
製作を依頼されているのはフロントフェンダーとシートカウル。
昨シーズンはFRPだった物を今シーズンはドライカーボンに変更するようです。
㈱エヌ・ティー・エスから送られてきたマスターは製品そのものの形状でした。
FRPなら成形型を取れないこともないのですがドライカーボンだと厳しいですね。
先ずは木型屋に頼んで延長部分を作ってもらいます。
次は弊社の方で延長面に硬質ウレタンでフランジ面を追加していきます。
シートカウルは既に土台のベニヤ板がフランジ面になっています。
よく、元(カウルやスポイラー)が有るから安く出来ないかと相談を受けますが、
ご自身で面を延長したり穴を埋めたりしてくれれば安く作ることは可能です。
最後は成形型の分割ラインに割り面を立てていきます。
フランジ面が一周回ることで型の形状剛性を上げて変形を最小限にします。
3Dデーターで製作されたマスターは延長面もフランジ面も付いてくるので楽です。
しかし設計者から送られてくる3Dデーターには"元"しか有りませんから、
延長面やフランジ面は結局のところ木型屋が面張りをしているんですよね。
道具がCADかカンナの違いというだけでこの作業は誰かが必ずやっているのです。
設計者がやればコストは下がりますが設計者には本来の仕事をしてもらい、
後は我々にお任せくださいというお話でした。