韋駄天ZEROのスタイリングに関してディレクションをさせてもらいました。
というよりは自分が造形を担当しているから自然にそうなってしまうのですが。
とくに今回はミクがつかないからカラーリングもコントロールできるチャンスです。
岸本氏に了解を得て韋駄天ZEROのビジュアルの面倒をみることになりました。
基本コンセプトは過去と未来を繋ぐマシン。
MIRAIとしては初の電動バイクTT零12のトリコロールカラーをベースに、
ミクへの思いを込めた配色にしてTT零13から採用されたカメラホルダーを装着。
アンダーカウルの黒色はまだ見ぬTT零16の完成時を示唆しています。
裏テーマとしては最小の仕事で最大の効果。
なるべく手間を掛けずにいかにベースマシンの面影を無くせるか。
しかし造形は自分で進められるのですがカラーリングは頭の中にしかありません。
ラッピングの施工をするためには指示書が必要になります。
そこで未来輪業の黒川氏にデザインとスケッチを個人的にお願いしました。
そして、何回かのキャッチボールを経て完成したのが下の画像です。
しかし、この案が採用されていないことはブログを読んでいる方は判ると思います。
ロアーのスポンサーロゴが再現できなかったのは自分の読みが甘すぎたにしても、
電動バイクならではのオールインワン感を狙って造形したタンクシートが、
塗り分けラインの位置と回り込んだシートによって小振りのタンクに見えてしまう事。
シートカウルの小さいゼッケン。黒に塗れなかったフレームとスイングアーム。
主張しすぎるアルマイト色のサポートパーツ。(白と黒は提供してくれないそうです。)
結果的に黒川氏を巻き込んでしまった今回のドタバタ劇。
ただでさえ工数がないのに別のカラーリング案でいきたいと一週間も作業を止められ、
再開したとたん例のロアーカウルの張り出しの件。
黒川氏から最終案のメールが届いていたのはラッピング施工日の早朝4時でした。
完成した実機のカラーリングが彼の無償の対価にふさわしいとは思えません。
それでも韋駄天ZEROの仕事が彼のキャリアに加わってしまうのであれば、
せめてもの恩返しの気持ちをこめて、この原案のスケッチを公開させていただきます。
誰かを批判しているのではなく、もっとカッコ良く出来たのに!というお話。